風邪?のどの痛みは溶連菌に注意!
ブログ2019.05.16
こんにちは。理事の下村薫です。今日は風邪についてお話したいと思います。
風邪をひいたことがない人はいないくらい、風邪は一般的な病気です。寒気や熱がでたり、のどが痛かったり、咳や鼻水が止まらない場合もありますね。皆さんはどのように対処しているでしょうか。今回は、よく見かける風邪症状についてお話したいと思います。
鼻水、のどの痛み、咳
風邪は大きく4つにわけてイメージするとわかりやすいです。まず、鼻水の多い鼻症状メイン型。次にのどの痛みが強いのど症状メイン型、3番目は咳が続く咳症状メイン型。最後に鼻、のど、咳すべての症状がある典型的風邪型です。鼻やのど、咳など一つの症状が強い場合は細菌感染症の場合があり、すべての症状がある典型的風邪型の場合は、ウイルス感染の場合が多く、ライノウイルスやコロナウイルスなどが原因となります。
鼻症状メイン型
鼻症状メイン型は、基本的には抗菌薬は必要ありません。抗菌薬が必要なのは副鼻腔にも細菌が広がっている場合だけです。その場合、片側だけの頬の痛みが強く出たり、高熱が出たりします。また、鼻炎症状が7日間以上続き、かつ頬の痛みや粘性の鼻水が続く場合は頭部レントゲンなど詳しい検査が必要なことがあります。
のど症状メイン型
のど症状メイン型で抗菌薬が必要なのは、溶連菌感染症のみです。大人が感じる急なのどの痛みの原因の10%程度を占めると言われています。小児では2~3割と言われていますので、溶連菌感染症はどちらかと言うと子供の病気のイメージがあるかもしれません。
溶連菌感染症には診断の目安があります。発熱(38℃以上)、押すと痛む前頸部のリンパ節の腫れ、扁桃が腫れ膿のようなものがついていると可能性は高まります。原則咳はありません。また15歳未満に多くみられ、45歳以上だと可能性が低くなります。検査にはストレップテストという迅速検査があります。
診断がつき次第、抗菌薬による治療を始めます。抗菌薬による治療には、
・症状軽快を早める
・合併症であるリウマチ熱を減らす
・他人への感染を減らす
などの効果があるとされています。
リウマチ熱は、感染した2週間後くらいから関節や心臓の炎症、皮膚の症状、舞踏病、血尿やむくみがでる腎臓の病気を合併することがありますのでご相談ください。
お子さんの溶連菌感染症の場合、近くに同じような症状の人がいないか確認しましょう。3歳未満だと心臓の病気が合併する危険性が低いと言われています。ただ3歳未満だと、のどの症状以外に、軽度の鼻水や咳の症状があることもあり、診断が難しいこともあります。お子さんの感染が心配なときはお早めにご相談ください。
咳症状メイン型
咳症状が強い場合は、肺炎や結核を見逃さないことが大事になります。全身の様子やレントゲンを撮影して診断します。特に高齢であったり、元々肺の病気があったりする方は注意が必要です。咳が長引いて良くなる気配がない場合は早めの受診をお勧めします。予防策として、肺に基礎疾患のある65歳以上の方には肺炎球菌ワクチンやインフルエンザワクチンもおすすめします。
典型的風邪型
色々な症状がでる典型的風邪型は、鼻水、のどの痛み、咳のほかに目が充血したり、目やにが多くなったりします。のどの痛みは食べ物を飲み込むときに特に痛むことが多いです。
原因はウイルス性の場合が多いので原則抗菌薬は必要ありません。よく寝て、水分と栄養をとることが重要です。2~3日症状が長引く場合は、抗菌薬が必要な感染症などが隠れていることもあるので、受診をおすすめします。
今日は風邪について大きく4つに分類してお話ししました。季節の変わり目は体調を崩しやすい時期です。風邪はとても身近な病気ですが、こじらせると辛いものです。ひどくなる前にゆっくり休んだり、必要な場合はお薬を飲んで、元気な毎日を取り戻しましょう。最後に、煙草を吸う方は禁煙も風邪予防に大切です。草花クリニックでは禁煙外来もやっていますのでご相談ください。