脂質異常症と言われたら…?
ブログ2020.11.30
肌寒い日が増えてきたこの頃、みなさん体調はいかがでしょうか。
風邪などひかれていませんか。
秋といえば運動の秋、読書の秋、食欲の秋など様々にありますが、健康診断のシーズンでもあります。
新型コロナウイルスの影響もあり、かかりつけ医への受診なども足が遠のいてしまいがちですが、感染対策も含めて健康には気を配っていきましょう。
ところで、健康診断や人間ドックで「コレステロール」や「中性脂肪」の数値について指摘されたことはありませんか?
特に「脂質異常症の疑い」と診断された場合は、早めに医師の指導を受けることが大切です。
脂質異常症とは?
健康診断書を確認すると「HDLコレステロール」「LDLコレステロール」「中性脂肪またはTG(トリグリセライド)」の記載があります。
これらの値が下表の基準から外れてしまった状態を「脂質異常症」と言います。
脂質異常症の診断基準
検査項目 | 診断基準 | 診断 |
---|---|---|
LDLコレステロール | 140 mg/dL以上 | 高LDLコレステロール血症 |
LDLコレステロール | 120 – 139 mg/dL | 境界域高LDLコレステロール血症 |
中性脂肪 TG(トリグリセライド) |
150 mg/dL以上 | 高トリグリセライド (中性脂肪) 血症 |
HDLコレステロール | 40 mg/dL未満 | 低HDLコレステロール血症 |
まとめると脂質異常症とは
「悪玉 (LDL) コレステロール」や「中性脂肪」が 高い(多い)
「善玉 (HDL) コレステロール」が 低い(少ない)
のいずれかの状態を指します。
脂質異常症になるとどうなるの?
脂質 (コレステロールや中性脂肪) は本来からだに必要なものですが、多すぎたり少なすぎたりすると悪い影響を及ぼします。
脂質異常症は、それだけでは特に症状を感じません。そのため、健康診断や人間ドックの血液検査の結果を聞いても、特に何もせず放置してしまう方がいらっしゃるかと思います。
しかし、実は放っておくと「動脈硬化」の進行や血管を傷つけてしまうことで、脳や心臓の怖い病気、例えば「脳梗塞」「脳出血」「狭心症」「心筋梗塞」につながってしまう可能性があります。
年齢と共に徐々に診断される方は増えますが、60歳以上の方では4人に1人ほどが脂質異常症と診断されると言われています。
脂質異常症の原因は?
脂質異常症の原因は様々にありますが、食べ過ぎ、太り過ぎ、運動不足、ストレス、アルコールや喫煙などが挙げられます。
特に、食事と運動については現代人を悩ませることですが、脂肪の多い食事や慢性的な運動不足が脂質異常症に深く関わっています。
そのほかにも、遺伝的な要因が関係しているとも考えられているので、適切な対応と治療について医師の判断が必要となります。
脂質異常症の治療は?
脂質異常症はお薬での治療も大切ですが、まずは食事療法、運動療法が基本になります。
その上でお薬を始めることが通常ですが、ご年齢やお体の状態、検査値にもよりますので、かかりつけの先生とよくご相談ください。
理想的には食事、運動などの生活習慣の改善や内服治療をバランスよく行うことです。
また、ご自身ではなかなか気づくことが難しい病気なので、健康診断や人間ドック、かかりつけ医での定期的な検査などが望ましいです。
当院では、医師の外来治療に加えて、栄養士による栄養相談を行い、食事の見直しについてもアドバイスをさせていただいております。
健康診断の結果で異常値が出てしまった方、最近太ってしまった方、食生活が心配という方も、お気軽にクリニックへご相談ください。