血圧が高いと言われたら…?
ブログ2021.06.17
こんにちは!理事の下村薫です。
6月に入り、健康診断や特定健診のシーズンとなりました。
すでに受診された方もいらっしゃるのではないでしょうか。
健診の結果が出たら、検査結果をしっかり確認し、生活習慣の改善や治療に役立てることが大切です。
今回は健診でわかる病気の中から「高血圧」についてお話しします。
高血圧と診断される基準は?
高血圧と診断される基準値は、「診察室血圧(病院などで測る血圧)」の最高血圧(収縮期血圧)が140mmHg以上、最低血圧(拡張期血圧)が90mmHg以上の場合です。
診察室血圧の基準値を超えた場合は、血圧手帳に毎日「家庭血圧(自宅で測る血圧)」の記録をお願いしています。
近年、家庭血圧は日頃の血圧を反映していると言われており、診察室血圧より信頼性が高いとされているためです。
家庭血圧は朝起きた時、または寝る前に測定します。
少なくとも5日間測定を行い、最高血圧(収縮期血圧)の平均値が135mmHg以上、最低血圧(拡張期血圧)の平均値が85mmHg以上の場合、高血圧と診断されます。
平均値で評価しますので、一回一回の血圧の上下に一喜一憂する必要はありません。
また高血圧にも、家庭では血圧が正常値で診察室では緊張により血圧が高くなる「白衣高血圧」や、診察室では血圧が正常値で家庭では血圧が高くなる「仮面高血圧」と呼ばれるものがあります。
「白衣高血圧」は経過観察で充分ですが、「仮面高血圧」の場合は治療が必要とされています。
高血圧と診断された場合の治療は?
高血圧と診断された場合、治療は高血圧の程度、年齢、性別、喫煙の有無、その他の病気の有無などから総合的に判断します。
多くの場合、1~3ヶ月間生活習慣を見直したあと、血圧が改善されない(診察室血圧の基準値を超える)場合は、投薬治療を開始します。
一般的に75歳未満の方は、診察室血圧で最高血圧(収縮期血圧)130mmHg未満、最低血圧(拡張期血圧)80mmHg未満、75歳以上の方は最高血圧(収縮期血圧)140mmHg未満、最低血圧(拡張期血圧)90mmHg未満を治療目標とします。
高血圧の改善に向けた生活習慣の見直し
生活習慣の見直しでは、特に効果が大きい減量、減塩を中心とした運動と食事療法を行います。
減量はBMI(体重(kg)÷身長(m)÷身長(m))の数値を25未満とすることを目標にしましょう。
運動はウォーキングなどの有酸素運動と、筋トレなどの無酸素運動を組み合わせて、毎日30分以上続けることを目安とします。
食事は食塩摂取量を1日6g未満とする減塩や、野菜や果物を多く摂ることが大切です。
また、アルコールを控えることや禁煙なども効果的と言われています。
草花クリニックでは、管理栄養士による栄養指導なども行っておりますので、お気軽にご相談ください。
高血圧を改善させる投薬治療
高血圧治療に用いられる薬剤には作用機序によって、「レニン・アンジオテンシン系阻害薬」「Ca拮抗薬」「利尿薬」など、いくつかの種類があります。
はじめはそのうちの一剤で治療を始めます。
その後、治療の効果を見つつ、量の調整や他の薬剤との併用を検討していきます。
高血圧による病気のリスクを減らすために
高血圧の治療は長い目で見て、脳卒中や心筋梗塞、心不全といった重大な合併症の発症率を低下させると言われています。
健診で血圧が高いと言われたら、生活習慣の改善やお薬を欠かさず飲み続けることが大切です。
また、治療効果の判定において「診察室血圧」よりも「家庭血圧」、特に薬を飲む前の朝と寝る前の血圧値がポイントになります。
家庭血圧を測定する習慣をつけることこそが、高血圧治療を成功させるコツです。
血圧の異常でご不安に感じていらっしゃる方は、お気軽に草花クリニックへご相談ください。
また、草花クリニックでは健康診断や特定健診など、各種健診を行っております。
今年は新型コロナウイルスのワクチン接種を実施しているため、特定健診は8月から開始予定です。
7月中旬頃には予約受付を開始する予定ですので、詳細が決まり次第、ホームページにてお知らせいたします。
ぜひ積極的に健診を受診して、健康的な毎日を過ごしましょう。