糖尿病は早期診断と治療の継続が大切!
ブログ2021.09.22
こんにちは!理事の下村薫です。
この夏は東京で57年ぶりにオリンピック、パラリンピックが開催されました。
日本人選手の活躍もめざましく連日嬉しいニュースに沸きましたね。
一方でコロナ感染症患者数は多いままなのも現状です。改めて気を引き締め、うがい、手洗い、マスク、換気。それから三密を避けてステイホームで過ごすなどの感染対策を続けましょう。
さて、今回は「糖尿病」についてご紹介いたします。
糖尿病は、高血圧症や脂質異常症と同じように、健診で指摘されることが多い病気です。
自覚症状を感じづらいため、健診で指摘されても受診しなかったり、途中で治療をやめてしまったりする方もいらっしゃいますが、放置してしまうと突然意識を失ったり、合併症を引き起こす可能性が高まるため、早期診断と治療の継続が大切です。
今回は「糖尿病の早期発見と治療の継続が必要な理由」や「糖尿病の症状」、「糖尿病の診断」など、糖尿病がどんな病気なのかを中心に見ていきましょう。
糖尿病はなぜ早期診断と治療が必要なの?
糖尿病とは、血糖値を下げる働きをするインスリンが欠乏したり作用不足したり、インスリンの効き目が弱くなったりすることが原因で、血中のブドウ糖の濃度が上がる病気です。
糖尿病はそのまま放置しておくと「糖尿病の合併症」を引き起こす可能性が高くなるため、早期に診断し、治療を開始することが大切です。
糖尿病の代表的な合併症
- 糖尿病網膜症(視力低下や失明を引き起こす)
- 糖尿病腎症(ひどくなると透析が必要になる)
- 糖尿病神経障害(しびれや痛み、立ち眩みを起こす)
- 心筋梗塞や脳梗塞・脳出血といった動脈硬化による病気など
早期診断と治療によって糖尿病の悪化と糖尿病合併症や高血圧症や脂質異常症を予防し、「健康な人と変わらない人生」を送ることを目指しましょう。
糖尿病の初期症状とは?
糖尿病は早期に診断し、治療を開始することが大切ですが、糖尿病の初期、軽度な状態では、自覚症状はほとんどないといわれています。
健診や他のご病気で受診した際の血液検査の結果で糖尿病の可能性を指摘される場合が多いです。
ある程度悪化すると症状が出てくるのですが、この場合も少しずつ、ゆっくりと現れることが多く、気付きづらいため、受診・治療開始が遅れるというケースも見られます。
糖尿病の主な症状
- のどの渇き、水をたくさん飲む、ひどい空腹感
- トイレの回数が増える
- 疲労感
- 手足のしびれ
症状が出ている場合はもちろん、出ていなくても、血液検査で血糖値やHbA1c値が高い場合は早めに受診しましょう。
糖尿病治療の第一歩!糖尿病の診断
糖尿病治療の第一歩は、自分の現在の状態を知ること、つまり、診断を受けることです。
糖尿病の診断は、血液検査の結果から、血糖値とHbA1c(ヘモグロビンA1c)の値でつけることができます。
以下に当てはまる場合は「糖尿病型」と診断されます
- HbA1c(ヘモグロビンエーワンシー)
過去1~2か月の間の血糖値を示す、HbA1c(ヘモグロビンエーワンシー)の値が6.5以上 - 早朝空腹時血糖値
10時間以上食べていない状態で採血した時の血糖値が126mg/dL以上 - 75g経口ブドウ糖負荷試験(75gOGTT)
75gのブドウ糖水などを飲み、その後30分から1時間ごとに採血し、2時間後の血糖値が200mg/dL以上 - 随時血糖値
食事時間に関係なく、採血した時の血糖値が200mg/dL以上
糖尿病型と分かった場合、その後、再検査などを重ね、診断をつけます。 しかし、糖尿病は働き盛りの世代に起こりやすく、治療開始が遅れる方が少なくありません。知らないうちに症状が進行している可能性もありますので早めに受診しましょう。
また、症状は目立たなくても、医療機関と連携し、継続して治療を続けることが大切です。
糖尿病 身近な人と協力して治療しよう!
糖尿病の治療は、医師が患者様の生活に合った目標値を設定し、食事療法や運動療法、薬を使った治療などを行っていきます。
一度改善されても、食事や運動の習慣が乱れると元に戻ってしまう可能性があるため、これらの生活習慣の改善を継続することが治療のどの段階においても大切です。
しかし、患者様一人でこれらの生活習慣を続けていくには、大変な努力が必要になります。そこで、患者様の身近な方々のサポートが、患者様の治療を続ける力となるのです。
例えば、一緒に食事するご家族も糖尿病について知っていれば、より良い食事について一緒に考えることができますよね。
患者様のご家族、友人、同僚など、身近な方が糖尿病を正しく理解し、お互いを気遣える環境を整えることも、病気を抱えつつ豊かな人生を送るうえではとても大切なことです。
また「自分には味方がいる」と思えることは、患者様ご自身が治療を続けるモチベーションにもなります。
これは糖尿病に限らず、他の多くの病気を抱えた患者様にも当てはまることです。心に留めておけるといいですね。
しかし、糖尿病のことをよく知らないことで、患者様ご自身はもちろん、身近な方々もどのように病気を抱えた方と向き合ったらいいのか戸惑うことがあるかもしれません。
最近の糖尿病治療では、学会・協会・行政などが協力し、患者様自身では伝えづらい意思や権利を代わりに周りの方々に伝えることで、差別や偏見をなくす努力もしています。
患者様の身近な方々にも糖尿病を正しく理解していただき、治療に協力していただくことが大切です。
糖尿病のお悩みは草花クリニックへご相談ください
今回は、「糖尿病の早期発見と治療の継続が必要な理由」や「糖尿病の症状」、「糖尿病の診断」など、糖尿病がどんな病気なのかを中心にご紹介しました。
草花クリニックの内科では、糖尿病をはじめとした生活習慣病の診療も行っており、外来栄養指導室が院内に併設されているため、栄養指導と連携することもできます。
また、認知症がある方や、お一人でお住まいの方の場合、薬の管理をするのに、ご家族や介護者の見守りが必要な方もいらっしゃるかと思います。
その際、草花クリニックでは訪問診療、訪問看護、訪問介護などご自宅での治療にもご協力できます。是非ご相談ください。
次回は「糖尿病の具体的な治療(食事・運動療法や薬物療法)」についてお話しします。