糖尿病の治療法 ~食事・運動療法~
ブログ2021.11.05
こんにちは!理事の下村薫です。
日に日に寒さが強まり秋の訪れを感じさせますね。
朝晩の気温差が大きいので、体調管理に気をつけていきましょう。
さて、糖尿病の早期診断と治療の継続についてご紹介した「糖尿病は早期診断と治療の継続が大切!」に引き続き、糖尿病の治療について2回に分けてご紹介したいと思います。
今回は血糖値コントロールの基本となる食事療法と運動療法を中心にした内容です。
糖尿病の治療は、患者さまひとりひとりの状態を見ながら主治医が目標を設定し、食事療法や運動療法、薬を使った治療などを行っていきます。
具体的にどのような治療を行うのか、見ていきましょう。
糖尿病治療の目標値
糖尿病の治療では、HbA1c(ヘモグロビンエーワンシー)という、過去1~2カ月間の平均血糖値を反映する検査値を指標にして、治療目標値や治療方法を決めていきます。
基本的には日本糖尿病学会が定めた目標値を基準にしますが、患者さまの糖尿病の状態や年齢によって、コントロール目標値は変わります。
これは、血糖値が急激に正常範囲以下まで下がる「低血糖」を防いだり、患者さまのお体に過度な負担をかけないようにしたりするためです。
特に、低血糖を起こすと最終的に意識がもうろうとしたり、昏睡状態に陥ったりすることもあるため、治療の際は必ず気を付ける必要があります。
65歳以上のご高齢の方は低血糖になりやすいため、より注意が必要で、目標値の基準も別途設定されています。
自分の目標値がどの値なのか、主治医としっかり確認して治療に取り組んでいきましょう。
低血糖になった際の対処法
糖尿病治療において一番心配されるのは、急激に血糖値が正常範囲以下まで下がる「低血糖」になることです。
低血糖になった際は初期症状として、異常な空腹感や発汗、動悸、手の震えなどが現われます。そのまま血糖値が下がっていくと、次第に眩暈や強い疲労感などが現れ、最終的に意識がもうろうとしたり、昏睡状態に陥ったりする場合もあります。
糖尿病治療に取り組む人は、日頃からブドウ糖を持ち歩き、症状が現れた場合は、すぐにブドウ糖を飲んでください。
低血糖を起こさないよう、医療と連携して体の負担になりづらい治療を行うことも大切です。
食事・運動療法
糖尿病治療は、「食事・運動療法」と「内服やインスリン注射を使ったお薬による治療」の2本柱となります。
今回ご紹介するのは、お薬を飲んでいる、飲んでいないに関わらず、すべての糖尿病患者さまにとって基本となる「食事・運動療法」です。
食事療法
食事療法では、目標とする体重や、日頃の活動量をもとにした1日に必要になる総エネルギー量、炭水化物、たんぱく質、脂質、さらにビタミンやミネラルなど栄養素のバランスを考えた食事内容にしていきます。
また、食べる順番によっても血糖値の上昇をゆるやかにする効果が期待できます。
たんぱく質→野菜→炭水化物の順で食べることが大切です。
食べ方や食事バランスについては他にも注意するべき点があり、必要な総エネルギー量や、適切な食事は患者さまの生活習慣や年齢などによって変わります。
おひとりで判断せず、管理栄養士の栄養指導とも連携できる草花クリニックまでお気軽にご相談ください。
運動療法
次に運動療法ですが、ウォーキングや水泳といった有酸素運動は週に3日以上行い、運動しない日が2日間以上続かないようにすると効果的です。
逆に筋トレなど無酸素運動は連続しない日程で、週に2~3回のペースが良いでしょう。
可能な方は両方に取り組めると良いですね。
ステイホームで過ごすことの多い今、なかなか外で運動する機会はもちにくいかもしれませんが在宅ワーク中に適度にストレッチを取り入れることも効果的です。
食事・運動療法を2~3ヵ月続けても目標に届かない場合には、お薬を使った治療を開始しますが、糖尿病は「コントロールする」ことが大切な病気です。薬が処方された後も血糖コントロールの基本となる食事・運動療法は続けていく必要があります。
正しい知識で食事・運動療法に取り組んでいけるよう、早期受診をおすすめいたします。
糖尿病の治療についてお気軽にご相談ください。
今回は糖尿病の具体的な治療、特に食事療法と運動療法について、ご紹介しました。
当法人は生活習慣病の健診をはじめ、管理栄養士の栄養指導とも連携をとり、患者さまそれぞれのお体に合った治療を提供していきます。
また、ご家族や介護者の見守りが必要な方へも、外来、病棟から在宅、サービス高齢者住宅まで途切れることのない医療介護を提供いたします。
糖尿病治療について不安な点がございましたら、遠慮なくご相談ください。