胃や腸の不調を解消!胃腸に優しい食べ物
ブログ2022.01.07
寒さや忙しさ、不規則な生活から身体が疲れやすく、胃腸の働きも低下しがちな年末年始。クリスマスの豪華な食事やおせち料理が加わると、胃腸にさらに負担がかかってしまうことも……。
「なんだかお腹が痛い」「下痢を起こしてしまった」「胃がもたれる」「食欲がない」など、この時期のお腹の不調は「胃や腸の疲れ」が原因かもしれません。
今回は管理栄養士の視点から、胃もたれやお腹の痛みなどの症状解消にもつながる「胃や腸に優しい食事」について解説いたします。
胃と腸に優しい食事とは?
お腹の痛みや胃もたれなど、胃や腸の不調が起きた場合には、胃や腸を休ませてあげることがとても大切です。
下記のポイントに気を付けて、胃腸に負担をかけない優しい食事を心がけましょう。
まずは水分補給!おすすめの飲み物
人間の体は大人の場合、約60〜65%が水でできていると言われています。
この水分は体温調節など、生きるために必要な役割をしてくれているのですが、下痢をしてしまうと身体の水分が必要以上に流れ出てしまいます。
そこで、まずは水分補給をすることが大切です。少量ずつ、こまめに水分を取りましょう。
最適なのは、あたたかい汁ものや、カフェインの入っていないお茶(麦茶やルイボスティーなど)です。
また、スープの上澄みやスポーツドリンク、果物のジュ-スも、下痢を起こした際に不足しやすいミネラルやビタミンを一緒に補給することができるので、とてもおすすめです。
逆に控えた方がいいのは、コーヒー・紅茶・玉露入り緑茶などカフェインを含む飲料、キンキンに冷えた飲み物や、炭酸飲料などです。
これらの飲み物は、胃腸を刺激してしまうため、胃腸が弱っているときは控えるようにしましょう。
食物繊維が少ない食べ物で腸を休ませる!
食物繊維には栄養素を吸収するスピードを緩やかにする作用があります。
普段であれば、吸収をゆるやかにすることにはメリットもたくさんありますが、腸はその間働きつづけることになり、疲れやすくなってしまいます。
そのため、胃腸を休ませたいときには、ごぼう、さつまいも、きのこや海藻など、食物繊維の多い食品は控えることがおすすめです。
もし、食物繊維の多い野菜を食べる必要がある場合には、よく噛む、細かく切るなどの工夫をするとよいでしょう。
腸への負担を軽くすることができます。
脂っこい食べ物は胃もたれの原因に!
身体に脂質が入ると、腸での脂肪の消化吸収を促す消化管ホルモンが出ます。
このホルモンは脂肪の消化吸収を促す一方、胃の運動を抑える作用もあるため、食べたものが胃にたまり、胃もたれなどの症状が見られることがあります。
また、脂質は食物繊維と同様に、消化・吸収に時間がかかるため、胃や腸の負担が多くなります。 胃腸の調子が悪い時は、脂っこいものも避けるようにしましょう。
調理方法を工夫することでも、食材に含まれる油を減らすことができます。
「茹でる<蒸す<煮る<炒める<揚げる」の順番で脂質が多くなりますので、調理方法を工夫して、よりお腹に優しい食事を目指してみてください。
胃を刺激しない食べ物がおすすめ!
辛い食べ物や、味を濃く感じる食べ物は胃の粘膜を刺激してしまい、胃酸の分泌を高めてしまうため、胃を荒らす原因になってしまいます。
胃腸が疲れているときは、以下のような食べ物はなるべく避け、薄めの味付けで胃腸に優しい食事を心がけましょう。
- 辛い食べ物(唐辛子、こしょうなど)
- 塩味の強い食べ物(漬物、塩辛など)
- 酸味の強い食べ物(酢の物、柑橘類の果物など)
具体的な胃腸に優しい食事メニュー例
食事を抜いたり、お粥やうどんばかりの食事を続けたりすると、栄養バランスが崩れてしまい逆に体調不良になってしまうこともあります。
主食・メイン料理・副菜のバランスの取れた食事が大切です。
おすすめの主食
やわらかく炊いたごはんやお粥、やわらかく煮たうどんなどがおすすめです。
パンは食物繊維や脂質が多くなりますので、避けるようにしましょう。
おすすめのメイン料理
茶碗蒸しや煮魚、しゃぶしゃぶなどがおすすめです。
その他にも、半熟卵や豆腐、鱈やかれいなどの白身魚、鶏のささ身や赤身肉など、脂質の少ない食材を使った料理を選びましょう。
卵とお肉は加熱しすぎると、消化が悪くなり、逆効果になってしまうので注意が必要です。
おすすめの副菜
長時間加熱する料理は食材が柔らかくなり、消化しやすくなります。
食物繊維の多い野菜は避けて、大根や白菜、人参やかぼちゃ、じゃがいもなどの消化管への負担が少ない野菜を、やわらかく煮ることがおすすめです。
特に、野菜スープやポタージュ、煮浸しなど、長時間加熱する料理が良いでしょう。
圧力鍋などでの調理は食材を柔らかくしやすく、胃や腸にやさしい料理をつくることができます。
おすすめのデザート
柑橘系などの酸味のある果物は胃腸に刺激を与えてしまうので避け、りんごやバナナ、缶詰めの果物、プリンやヨーグルトなどを食べることがおすすめです。
胃腸の不調は病気の原因になることも……
胃や腸の調子が悪いと、ストレスや肌トラブルなど、様々な病気の原因になってしまうことも。年末年始の食事で疲れた胃や腸は、消化のいいメニューで休ませ、早めに回復させてあげましょう。
胃や腸の不調が続くようであれば、病気の症状である可能性も考えられますので、お早めに草花クリニックまでご相談ください。
草花クリニックの栄養指導では、管理栄養士が一人ひとりにあった食事をご提案しております。外来担当医と管理栄養士が連携して食生活のサポートを行いますので、ご希望の方はお気軽に担当医にお申し出ください。