高血圧改善で動脈硬化対策!
ブログ2024.07.04
こんにちは!理事の下村薫です。
日本人は塩分摂取量が多い生活を送っていることも多く、日本人の1/3が「高血圧症」に当てはまるとも言われています。
この記事をご覧の方の中にも「実際に健康診断で高血圧症の指摘を受けた」「血圧が気になる」「家族が高血圧症と診断された」という方がいらっしゃるのではないでしょうか。
そんな多くの方が当てはまる高血圧症ですが、実は動脈硬化などを引き起こし日本で年間約10万人の死亡原因になっていると考えられている、とても恐ろしい病気です。
病気改善・予防への第一歩は、病気を知ること。今回は健康診断でもひっかかりやすい生活習慣病「高血圧」について詳しくご紹介していきます。
高血圧とは
私たちの身体を絶えず流れる血液は、酸素や栄養素を体中に運ぶ役割を担っています。
心臓から送り出された血液が血管の内壁に加える圧力を「血圧」と言い、慢性的に過度な圧力が血管にかかっている状態のことを「高血圧」と言います。
高血圧の状態が長く続くと、血管の柔軟さが失われる「動脈硬化」や血管が傷つく原因となるため、特に脳出血や脳梗塞などの「脳心血管病」では死亡数へ影響を与える最大の危険因子になっています。
その他にも高血圧は心臓の心肥大、心不全、心筋梗塞、腎臓では腎硬化症、腎不全、眼では眼底出血などさまざまな臓器障害を引き起こす恐れも……。
冒頭でもご紹介しましたが、高血圧が原因の一つとなる死亡人数は年間約10万人にのぼると考えられているため、正しい知識を持ち、対策をしていくことが大切です。
高血圧症の基準
血圧には病院などで測る「診察室血圧」と自宅で測る「家庭血圧」などがありますが、以下を基準として、高血圧症と診断されます。
- 診察室血圧
上の血圧(収縮期血圧)が140mmHg以上の場合または下の血圧(拡張期血圧)が90mmHg以上の場合 - 家庭血圧
上の血圧(収縮期血圧)が135 mmHg以上の場合または下の血圧(拡張期血圧)が85 mmHg以上の場合
高齢者の高血圧症では動脈硬化によって血圧調整能が低下しているため、血圧の変動が大きく、上の血圧(収縮期血圧)は上昇、下の血圧(拡張期血圧)は低下傾向にあるのが特徴です。
高血圧症の症状
- 肩こり
- 頭痛
- 耳鳴り
- 痺れ感 などの不定愁訴
上記のように様々な不定愁訴の症状が生じる場合もありますが、高血圧症では症状が出ない「無症状」の場合もあります。
「症状がないから」と長い間放置していると、知らないうちに高血圧症が進行し、合併症や動脈硬化の原因になる例も少なくありません。
症状がない場合にも放置は禁物です。高血圧症の悪化予防を心がけましょう。
高血圧症の原因
高血圧には、原因のはっきりしない「本態性高血圧」と、薬剤の副作用や他の疾患が原因の「二次性高血圧」の二種類があります。
高血圧と診断された方のうち90%は本態性高血圧と言われており、塩分の摂りすぎ、肥満、運動不足、ストレス、喫煙などの生活習慣や、体質などさまざまな原因で発症すると考えられています。
本態性高血圧と二次性高血圧で改善方法が異なりますので、血圧が高い場合には一度ご相談ください。
高血圧症の改善
前章で「原因によって治療法が異なる」ことをご紹介しましたが、今回は多くの方が当てはまる本態性高血圧の改善についてご紹介いたします。
高血圧症の改善では減塩や、後述のDASH食、減量、運動、節酒などが効果的のため、「食事療法」「生活指導」「薬物療法」と幅広い方法で治療を行っていきます。
食事療法
高血圧の原因となる塩、脂質、アルコールの摂取を制限します。
「DASH食(Dietary Approaches to Stop Hypertension)」も効果的で、野菜、果物、低脂肪乳製品を豊富に摂取することで飽和脂肪酸とコレステロールを少なく、Ca、K、Mg、食物繊維を多く摂取することができます。
ただし、元々の栄養素の摂取状況が異なるため、無暗に行うと高カリウム血症や摂取カロリーの増加を招く可能性もあります。栄養士などと相談しながら正しい食事療法を行いましょう。
生活指導
適度な運動と十分な休養をとり、精神的ストレスをコントロールしながら規則的な生活を送ることが大切です。
体重コントロールや禁煙も重要な対策になりますので、肥満や喫煙に心当たりのある方は、生活習慣を改善していくことが大切です。
薬物療法
生活習慣の改善でも血圧が目標値まで下がらない場合には、血圧を下げるお薬(カルシウム拮抗薬、ARB,ACE阻害薬、利尿薬、β遮断薬など)を投与します。
患者さま一人ひとりの高血圧のタイプや持病などにあわせて最適なお薬を選んでいきますので、医師にご相談ください。
治療目標
一般的に、高血圧症の治療では、年齢によって以下の血圧を目指します。
- ~74歳:130/80mmHg未満
- 75歳~:140/90mmHg未満
糖尿病や慢性腎臓病患者(タンパク尿陽性)の場合も、治療目標は130/80mmHg未満です。
生活習慣は日頃からの活動の積み重ねによるものが大きいため、継続して改善することは中々難しいという方も多いです。
「ダイエットや禁煙など生活習慣を変える方法」でもご紹介しましたが、病院をはじめ、ご家族や友人など周囲のサポートを受けられる環境を整えることが生活習慣改善の継続につながりますので、是非ご相談ください。
高血圧症を改善して動脈硬化対策を
今回は、健康診断でも引っかかりやすい病気の一つ、「高血圧症」についてお話しました。
無症状の場合もあり、なかなか危機感を抱きにくい病気ですが、知らず知らずのうちに動脈硬化が進まないように、お早めの受診がおすすめです。
草花クリニックでも、高血圧症をはじめとした生活習慣病の改善をサポートしております。
「健康診断で引っかかってしまった」「高めと診断された」という場合にはお気軽にご相談ください。