新型コロナワクチンを正しく知って予防しよう
ブログ2024.10.10
こんにちは!理事の下村薫です。
あきる野市でも10月1日から、65歳以上の高齢者の方や60歳から64歳で重症化リスクの高い方などを対象に接種費用の一部公費負担を受けることができる新型コロナウイルス感染症のワクチンの定期接種が始まりました。
中には「ワクチンの効果は?」「ワクチンは打った方がいいの?」とお悩みの方もいらっしゃるかもしれません。
特に定期接種の対象外の方は接種費用が自己負担となる「任意接種」になるため、ワクチン接種をした方がいいのか、気になるところですよね。
5類になってから一年以上経過し、行動制限の緩和とともに警戒感が薄れている方も多い新型コロナウイルス感染症ですが、重症化すると命に関わる場合があることは変わりなく、引き続き対策が重要な病気と言えます。
定期接種の方はもちろん、任意接種の方にも是非ワクチン接種での予防をご検討いただくため、今回は新型コロナワクチンの効果や、当院で使用しているワクチンの種類などについてご紹介いたします。
ワクチンの効果
そもそもワクチンとは、ウイルスや細菌などの病原体の毒性を弱めたり、失わせたりすることで人工的に作り出した製剤です。
私たちの体には同じ病気に繰り返しかかりにくくするため、1度体内に入った病原体に抵抗するための免疫の仕組みが2段階備わっており、病原体が体内に侵入すると真っ先に発動する「自然免疫」。そして、自然免疫だけでは撃退できなかった時に発動する「獲得免疫」があります。
ワクチンはこの免疫を利用した仕組みです。
安全性を高くした病原体などを体内に入れることで、実際にその病気を発症させることなく、入って来た病原体を免疫細胞たちが覚え、戦う準備を行うことができます。
言わば、免疫細胞たちの模擬訓練です。
こうすることで本物の病原体が襲ってきた際に素早く対応して病原体を排除しやすくなり、感染を防いだり、病原体の増殖を阻止して重症化を防いだりする効果を得ることができます。
ワクチンのもう一つの効果「集団免疫」
ワクチンには接種した本人を守る以外に、もう一つ副次的な効果が期待できます。
それが「集団免疫」です。感染拡大当時、ニュースなどで耳にした方も多いですよね。
集団免疫とは、接種により免疫を持つ人が増えることで、その病気に接する機会を減らすことができ、感染拡大を阻止することができるという考え方です。
イベントなども復活し、大人数で集まる楽しい機会も増えてきました。
これを継続させていくためにも、「自分がかからないだけでなく、周りの人に移さない」ワクチン接種をご検討ください。
当院で取り扱う新型コロナワクチンの種類
感染防止などに効果のあるワクチンですが、その中でもつくり方によって5つの種類に分けられます。
- 病原体を弱毒化した「生ワクチン」
- 毒性をなくし、感染力を失わせた「不活化ワクチン」
- 毒素を取り出し、無害化した「トキソイド」
- 弱毒性のベクターウイルスにワクチン成分の遺伝子を組み込む「ウイルスベクターワクチン」
- ワクチン成分の設計図となる遺伝情報を接種する「核酸ワクチン(mRNA)」
当院では、核酸ワクチンの一つ「mRNAワクチン」であるファイザー社の「コミナティ」と第一三共社の「ダイチロナ」を新型コロナウイルスワクチンで使用しています。
mRNAワクチンは、病原体の特定の部分(スパイクタンパク質)の遺伝情報だけを脂質などにくるんだものです。
ワクチンを接種すると人間の細胞内でスパイクタンパク質が作られ、それを抗原としてT細胞が活性化して感染細胞ごとウイルスをやっつけたり、B細胞が抗体を作って感染前にウイルスをやっつけてくれたりと、獲得免疫をつくることができます。
新型コロナウイルスは毎年夏季・冬季に流行する傾向があるため、早めに接種を検討し、流行時期に備えましょう。
新型コロナワクチン定期接種のQ&A
実際に新型コロナワクチンを接種する際には、どのような条件があるのでしょうか。
ここからは、定期接種についてのQ&Aをまとめてご紹介します。
Q. 定期接種の対象者はどんな方?
A. 定期接種の対象者は以下の方です。
- 65歳以上の方
- 60歳から64歳までの重症化リスクの高い基礎疾患を有する方
定期接種以外で接種を希望される方には、「任意接種」として、全額自費で接種を受けていただくことになります。
Q.予約は必要なの?
A.予約は必要ありません。来院したら受付にお申し付けください。
Q.土曜日もやってるの?
A.診療時間内であれば土曜日も対応しています。
Q.ワクチン接種後の待機時間はどれくらい必要なの?
A.厚生労働省では必須とはされていませんが、当院の方針として、15分待機していただいております。
Q. お金はいくらかかるの?
A.定期接種の場合:費用の一部が公費負担となり、2,500円(1人1回限り)となります。
任意接種(全額自費)の場合:15,000円(税込み16,500)円となります。
Q.インフルエンザワクチンとの同時接種はできるの?
A. 一般的に新型コロナワクチンとインフルエンザワクチンとの同時接種は、特に医師が必要と認めた場合に可能で、他のワクチンとの接種間隔にも制限はありません。
しかし、当院では誤接種防止のため原則同時接種は行わず、他のワクチン接種は1週間の間をあけていただくことにしています。
インフルエンザの予防接種については以下のページでご案内しております。
2024-2025年インフルエンザ予防接種のご案内
Q.既に新型コロナウイルスに感染した人は接種しても意味がない?
A. 新型コロナウイルスに感染した方でも、これまでに接種した新型コロナワクチンの接種回数や種類にかかわらず、ワクチンを接種することができます。
これは、このウイルスが一度感染しても再度感染する可能性があることと、自然に感染するよりもワクチン接種の方が、新型コロナウイルスに対する血中の抗体価が高くなることや、多様な変異に対する抗体の産生も報告されているからです。
Q.12歳未満の小児や幼児は打てるの?
A.予約が必要です。お問い合わせください。
感染予防で流行防止を
新型コロナウイルス感染症は現在も定期的に流行しています。
感染した場合、高額な治療薬の公費負担や入院費用の補助など終了したものも多く、治療にかかる費用の自己負担額が以前より高い傾向にあるため、可能であればワクチン接種を積極的にご活用いただき、予防に努めていきましょう。
「2024-2025新型コロナウイルス感染症予防接種のご案内」でも今シーズンの定期接種についてお知らせしております。是非あわせてご覧ください。
また、換気・うがい・手洗い・マスク着用なども適宜、状況に合わせて続けていくことで予防ができます。
新型コロナワクチン接種について心配なことがありましたら、お気軽に当院にご相談ください。