日本内科学会雑誌2024年12月号に論文が掲載されました
ブログ2024.12.26
今日は皆さまにご報告があります。
当法人の副院長・下村曉医師と院長・下村智医師が執筆した論文が、日本内科学会雑誌の2024年12月号に掲載されました。
日本内科学会雑誌は専門誌のため残念ながら書店やネットでは販売されておらず、学会員の手元にしか届かないのですが、多くの内科医に愛読されている雑誌です。
今回は、掲載された論文『外来診療でのMulti-problem症例の対応法』の内容をかみ砕いてご紹介したいと思います。
「Multi-problem症例」とは?
ご年配の方の健康について着目してみると、歳を重ねるにつれて病気を複数抱えている方も多くなってきます。
例えば「60代から高血圧と糖尿病があり、70歳で脳梗塞を発症。手足に少し不自由が残り、最近になって認知症も気になり始めた」というような例です。
このように慢性疾患をいくつか抱えていることを「Multimorbidity(多疾患罹患)」と言います。
Multiは複数の、morbidityは病気であるという意味です。
「Multi-problem症例」は、この「Multimorbidity(多疾患罹患)」に加えて社会的・精神的な様々な問題がある状態を指します。
介護を担う家族がおらず独居だったり、認知症やうつ傾向があり家に閉じこもりがちだったりなどの事例が当てはまります。
「Multi-problem症例」の難しさ
最近は一般にもエビデンス(科学的知見の蓄積)に基づいて医療を行うことが認知され始めてきていますが、Multi-problem症例の方の場合、各専門領域で確立されているエビデンスに基づいた治療を行っても一概にベストとは言えない場合も多く、個別性の高い対応が必要とされることが多いです。
その匙加減をするのが総合診療医であり、地域医療に従事している者の使命です。
東京都西多摩地域のあきる野市にある草花クリニックでは、地域医療として在宅医療も軸に活動を行っており、「医療」と「介護」両方を担っています。
個別性の高い対応が必要とされるMulti-problem症例においても、それぞれの問題に向き合いながらうまく病気に対応できるよう、実践を試みています。
「地域の皆さまが安心して暮らせる総合診療」を目指して
今回の論文は、ご紹介したMulti-problem症例への外来診療での対応についての内容です。今後のブログでも論文の内容をさらに詳しくご紹介したいと思いますので、是非ご覧ください。
当院は「地域の皆さまが安心して暮らせる総合診療」を目指し、患者さまの抱える問題に責任を持って対処できるよう、近隣病院の専門医と連携をとりながら幅広いアプローチから総合的に診る姿勢を大切にしています。
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