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続く頭痛の原因

ブログ2025.03.04

続く頭痛の原因

日本では日常的な頭痛に悩む方が多く、いわゆる「頭痛持ち」の方は3~4人に1人いるとも言われています。

実際、2011年に行われた20~50代の男女800名が対象のインターネット調査(日本医科大学脳神経外科 喜多村孝幸先⽣)でも、約4人に1人が週1回以上の頭痛を経験していると回答しており、頭痛によって生産性や能力が下がることで、平均で1日に約2時間29分の損失を感じるなど生活の質の低下を体感されている方は多いようです。

しかし、頭痛の原因を把握されている方は少ないとも言われています。
頭痛の原因によって対処法なども変わってきますので、頭痛の症状を確認しながら、原因を探っていきましょう。

当院では頭痛を訴える患者さまも多く来院されますが、寒い日や天気が悪くなる時に症状を訴える方が多いため、今回は外来を受診される方に特に多い「慢性頭痛」をメインに、以下の頭痛の症状と原因をご紹介いたします。

  • 片頭痛
  • 群発頭痛
  • 緊張型頭痛
  • 薬物乱用頭痛
  • 天気痛(気象病)

慢性頭痛とは?

「国際頭痛分類第3版」では頭痛は大きく3つに分類されており、原因となる病気などがない「一次性頭痛」と病気や外傷、薬などの原因が存在する「二次性頭痛」、そして有痛性脳神経ニューロパチーや、その他の頭痛に分けられます。

長く続く頭痛

一次性頭痛は慢性的に繰り返すことが多いことから「慢性頭痛」とも呼ばれており、頭痛を訴える方の約9割がこの種類の頭痛とも言われています。
残り約1割の二次性頭痛の中には「くも膜下出血」をはじめとする緊急性の高い頭痛もありますので、「頭痛くらい大丈夫」と自己判断せず、できるだけ早く病院を受診することをおすすめします。

緊急性の高い症状についてはこちらでもご紹介しておりますので、ご覧ください。
頭痛の原因・考えられる病気は?

左右片方がズキズキ痛む「片頭痛」

慢性頭痛の中でも知名度の高い「片頭痛」は名前を聞いたことがあるという方も多いのではないでしょうか。

頭の左右片方がズキズキと脈打つように痛む頭痛で、頭痛が始まる前にギザギザした光や、モザイクのような模様(閃輝暗点)が見えることがあるのが特徴です。

片頭痛の時に見えるギザギザした光や、モザイクのような模様(閃輝暗点)

頭痛が起きた時は動くと痛みが悪化し、頭痛以外に悪心・嘔吐や光・音に過敏になることがあります。人によっては動けなくなるほどの頭痛に襲われることも。

原因としては、チーズやチョコレート、アルコール(特に赤ワイン)などで発作が起こるケースも見られますので、心当たりのある方は注意が必要です。

治療については痛みの程度に応じてお薬を使用する他、予防するお薬もあります。
最近では、以前より頭痛を軽減できるお薬も販売されるようになったため、頭痛でお悩みの場合にはご相談ください。

目の周囲を中心に激しく痛む「群発頭痛」

群発頭痛」は、目の周囲から前頭部、側頭部にかけて起こる頭痛です。
激しい痛みが数週間~数ヶ月、1日数回30分~1時間くらい群発して起きます。

「出産より痛い」「ドリルでえぐられるように痛む」と表現されるほどの激しい痛みで、痛みに耐えきれず自殺を考える人もいると言われております。頭痛が起こった際には、痛みのある側の目で充血や流涙、瞼が下がる眼瞼下垂などの症状が見られるのも特徴です。

群発頭痛で苦しむ男性のイメージイラスト

群発頭痛にかかっている方の割合は0.05~0.4%と比較的少ない割合ですが、特に男性の方や夜間の睡眠中に起こりやすい頭痛です。

頭痛が起きた時は皮下注射や酸素吸入(7~10L/分、15分間)などが効果的で、予防薬もありますので、激しい頭痛でお悩みの場合には一度ご相談ください。

圧迫されるように痛む「緊張型頭痛」

緊張型頭痛」は、頭の両側や後頭部にかけて、圧迫されて締め付けられるような痛みが起こる頭痛です。

発作時に日常生活動作が可能な場合もありますが、重度になると脈拍に合わせてズキンズキンと痛む拍動性頭痛も併発して動けなくなることもあります。

緊張型頭痛

ストレスや長時間同じ姿勢を取ると頸・肩・後頭部~側頭部にかけて筋緊張を起こすことが原因のため、正しい姿勢を心がけ、休憩を多く取ったり、リラックスしたりと緊張をほぐすことが大切です。

頭痛が起きた時は薬物療法を行います。予防では筋肉の緊張をほぐすためのお薬の他に、鍼灸やストレッチ、ストレスマネージメントなどの方法があります。

日本人の22.3%と比較的多くの方に症状が見られる頭痛ですが、片頭痛ほど知名度がなく、ご存知ない方も多いのではないでしょうか。
片頭痛とは予防策などが異なりますので、頭痛でお悩みの際には是非ご相談ください。

最近話題の頭痛

上記でご紹介した慢性頭痛の他にも、短期間で頻繁に起こる場合のある頭痛があります。
それが最近話題の「薬物乱用頭痛」と「天気痛」です。

鎮痛剤の飲みすぎ?「薬物乱用頭痛」

今日も頭が痛い。痛み止めを飲もうかな。
片頭痛や緊張型頭痛でお悩みの方の中には、頻繁に痛みが起こるため、頭痛薬を定期的に服用されている方も少なくありません。
最近は特に市販の鎮痛剤も多いため、自力で頭痛を治めようとして、頻繁に服用してしまうケースに思い当たる方も多いのではないでしょうか。

痛みを緩和させてくれる鎮痛剤ですが、実は定期的な服用によって次第にお薬が効かなくなり、最終的には薬を飲むと頭痛が誘発される状態になってしまいます。

市販の頭痛薬のイメージ

頭痛が月15日以上あり、3か月以上の間、鎮痛剤を月10日以上服用している場合や、鎮痛剤の効き目が悪くなった場合には、この薬物乱用頭痛が疑われます。

治療方法としては鎮痛薬の中止がありますが、「離脱頭痛」と呼ばれる激しい頭痛が2~10日間起きるため、薬物乱用頭痛を生じさせない薬を使用しながら、痛みをコントロールしていきます。
薬物乱用頭痛は20~40%再発するといわれているため、専門医への相談が必要になることもあります。

痛みが頻発している場合には、こういった副次的な頭痛が起こる場合もありますので、自力で解決しようとせずに、一度ご相談ください。

眩暈などを伴うこともある「天気痛(気象病)」

「雨が降ると頭痛が起こる……」
天気の変化などによって頭痛や眩暈が起こる方は「天気痛(気象病)」かもしれません。

気温や気圧、湿度など気候の変化に伴って起こる不調全般が「気象病」と呼ばれており、そのうち痛みや気分障害によるものを「天気痛」と呼びます。

気象病での頭痛

気象病の症状は多岐に渡りますが、以下のような症状が見られる場合は、気象病の可能性があります。
片頭痛、緊張型頭痛、関節リウマチ、変形性関節症、肩こり、線維筋痛症などの慢性痛や気分の落ち込み、倦怠感、むくみ、めまい、ぜんそく症状など

2020年にロート製薬で16,482人を対象に行われた調査では、約6割の人が天気痛の自覚があると報告されておりますが、実は「国際頭痛分類」には気圧と頭痛に関しての記載が無く、西洋医学では気圧や天候の変化が片頭痛の引き金になることは考えられておりますが現時点では結論が出ていません。

治療としては、内服薬の他に漢方薬でも一定の効果が見込めるものがある他、生活習慣の改善があります。適度な運動、規則正しい生活、十分な睡眠などで自律神経を整え、水分・油分の摂りすぎに注意しましょう。

「長期間続く日常的な痛み」我慢しないでご相談ください

医者のイラスト

頭痛と一口に言っても多様なタイプの頭痛があり、慢性的なものから救急対応しないと命に関わるものまで様々です。
中には耐えられなくなるほどの痛みが表れる頭痛もありますので、頭痛でお悩みの場合にはお気軽に当院へご相談ください。