季節の変わり目は「肺炎」にもご用心!
ブログ2018.09.11
こんにちは。理事の下村薫です。
季節の変わり目は体調を崩しやすいですが、その季節の変わり目の今、罹りやすい「肺炎」について、お話したいと思います。
肺炎は大きく二つの分類に分かれる
肺炎というと、みなさんはどんなイメージを持たれるでしょうか?
単純に肺炎といっても複数の種類があるのですが、大きく二つに分類すると「市中肺炎」と「院内肺炎・医療介護関連肺炎」の二つに分かれます。
市中肺炎は、病院外で日常生活を送っていた方が発症する肺炎のことです。
また院内肺炎・医療介護関連肺炎は、他の病気で入院中に発症する肺炎のことです。院内肺炎・医療介護関連肺炎では、食べ物が誤って気道に入って起こる誤嚥性肺炎が有名です。
今回は市中肺炎についてお話します。
肺炎は感染症
肺炎は肺に微生物が感染して起こる病気です。
細菌が感染した場合を「細菌性肺炎」
細菌以外が感染した場合を「非定型肺炎」
と言います。
細菌性肺炎では「肺炎球菌」と「インフルエンザ菌」による感染が多く、非定型肺炎では「マイコプラズマ」による感染が多いです。
細菌性肺炎の症状と特徴
細菌性肺炎にはどんな特徴があるでしょうか。
【肺炎球菌による肺炎の症状と特徴】
「肺炎球菌」による肺炎では、下記のような症状が現れます。
- 咳や痰に引き続く
- 寒気や震えを伴った高い熱
- 鉄さび色の痰
放っておくと重症化することがあります。肺炎球菌性肺炎の検査は、「尿検査」で迅速診断ができますので、すぐに診察を受けることをおすすめします。
【インフルエンザ菌による肺炎の症状と特徴】
「インフルエンザ菌」による肺炎では、下記のような症状が現れます。
- 子どもや高齢者が罹りやすい
- 鼻水やのどの痛み
- 冬に流行する傾向
このインフルエンザ菌による肺炎は、インフルエンザウイルスとは別物なのでご注意ください。放っておくと菌が増殖して他の場所にも移り、中耳炎や副鼻腔炎になることもあります。
肺炎球菌とインフルエンザ菌にはワクチンがありますので、十分予防することができます。
どちらも当クリニックで予防接種を受け付けておりますので、ご希望の方は受付までお気軽にお声がけください。
非定型肺炎の症状と特徴
非定型肺炎では、マイコプラズマが原因となる肺炎が多く、年々増加傾向にあり時々ニュースでも見かけます。
【マイコプラズマによる肺炎の症状と特徴】
- 20代くらいまでの若い方
- 激しく、しつこい咳
- 痰は少ない
マイコプラズマによる肺炎は、集団流行することがあるので、症状が出たら早めの受診をおすすめします。
肺炎の咳と痰
ところで皆さんは咳や痰がどうして出るのかご存じですか。
咳は気道に入った異物を排出する生体の防御反応です。気道は正常では分泌物を産生して気道をきれいにしています。ですが感染などが起こり、分泌物が多くなると痰として咳とともに排出されます。
咳が3週間以内におさまっていれば、原因は感染症の可能性が高いです。
逆にそれ以上咳が続き、痰や発熱を伴っている場合、他の疾患も考慮する必要がありますので、咳が長引く場合は早めの受診をおすすめします。
痰は量や色調が変化します。
例えば「肺炎球菌」による肺炎の痰は「鉄さび色」。他にも痰が緑色やピンク色になったり、同じ透明でも粘りが出る疾患もあり、臭いも参考になります。このように痰には多くの情報が隠されているのです。
いかがでしたか?
今年は台風が多いので、体調に気をつけて元気に過ごしましょう。
お身体の具合で気になることがございましたら、当クリニックまでお問い合わせください。また、各種予防接種も承っておりますので、ご希望の方は受付までお気軽にお申し出ください。