ご存知ですか?肥満と肥満症
ブログ2018.09.27
こんにちは。理事の下村薫です。
当クリニックには年間を通じて、あきる野市や日の出町から多くの方が健診に来てくださいます。また企業健診でも地元の多くの方がご利用くださり、地域密着の診療をさせていただいております。
さて、そろそろ10月に入りますが、皆さんの生活習慣にお変わりはありませんでしょうか?
今回は健診結果で「HやL」、「↑や↓」があった方へ、健診でひっかかりがちな肥満についてお話ししたいと思います。
健診結果を日々の生活に生かすためにお役立てください。
実は違う!「肥満」と「肥満症」
皆さんは健診結果のBMIという項目をご存じでしょうか。
BMIは身長と体重から肥満の有無や程度を評価する指標で、BMI≧25だと肥満です。
肥満の方のうち高血糖や脂質異常、高血圧などの健康障害がある場合、または腹囲(ウェスト)が男性で85cm以上、女性は90cm以上で内臓脂肪が貯まっている場合、肥満症になります。
この肥満と肥満症。名前は似ていますが、実は大きく異なるのです。
どちらも動脈硬化が進行していくため、将来的に心筋梗塞や脳梗塞などの心血管疾患が起こる可能性が高いので注意が必要です。
ただ、「肥満」の段階では積極的な治療の必要はなく食事や運動など、これまでより少し健康に気を配った生活を心がけましょう。
一方で、「肥満症」はれっきとした病気です。医師に診断されたらすぐに治療をはじめることをおすすめします。
肥満症の治療について
「肥満症」は二次的に高血糖や脂質異常、高血圧を伴うため、これまでは高血糖や脂質異常、高血圧それぞれに対して、血糖を下げる薬、コレステロールや中性脂肪を下げる薬、血圧を下げる薬と、複数のお薬を処方する治療が主流でした。
しかし、「肥満症治療」の考え方は変化を迎えつつあります。
最近では、健康障害を引き起こしている大もとの肥満に対して、食事・運動療法を組み合わせることで、あまりお薬に頼らない方法で根本から治療しようという考え方が広がっています。
肥満症治療のターゲットを絞ることで処方する薬の種類も少なく、飲み合わせや副作用の心配も少なくなります。そして患者さまの金銭的な負担も少なくなるので、健康にもお財布にもうれしいですね。まさに一石二鳥の治療方法とも言えます。
これまでに薬物治療と比較して、食事や運動療法など生活習慣の改善の方が2型糖尿病の発症抑制に効果的であったという報告もありますので、食事・運動療法の重要性がよくわかりますね。
肥満症とわかったら早期治療を
今回は「肥満」と「肥満症」は大きく異なることをお話ししました。もちろん肥満もあなどることはできませんが、特に「肥満症」は皆さんが健康で健やかな毎日を送るためにも、なるべく早い段階で治療が必要です。ぜひご自身の健診結果を見直してみてください。
また一人で食事・運動療法をはじめるのはなかなか難しいものです。
そのような時には、当クリニックにお気軽にご相談ください。医師、看護師、管理栄養士が、チームで皆さんの健康を応援いたします。
その他、お体の具合で何かご心配なことがございましたら、お気軽に当クリニックにご相談ください。